コンサート手話通訳とは– Concert Sign Language Interpreting –

通訳するのは、言葉以上のもの。

コンサート手話通訳とは、聴覚障害※1 のある人に向けて、コンサートで曲の歌詞やMCなどを手話で通訳することを指します。

ただそのまま言葉を通訳するだけでなく、顔の表情やスピード感を工夫して曲の雰囲気やリズムを伝えたり、会場の臨場感、楽しさなど、感情も一緒に伝えたりします。
その場の“リアル”を通訳するには、高い専門性と豊富な現場経験が求められます。

※1 CSLIでは、障害は個人の心身機能の問題ではなく社会が作りだすものとして考えています。ここでは取り除くべき障壁という意味で、あえて「障がい」ではなく「障害」と表記しています。

なぜコンサート手話通訳が必要なのか

聴覚障害のある人も、視覚から情報を得たり、音の響きを体で感じたりすることで、聴こえる人とともに音楽の感動を分かち合うことができます。コンサート手話通訳は、聴覚障害のある人が音楽という文化的体験を平等に享受するための、重要な「情報保障※2」の手段です。

日本ではまだまだ知られていませんが、海外では多くの著名人アーティストのコンサートでコンサート手話通訳が取り入れられています。日本でも令和6年から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化され、ますますコンサート手話通訳が求められています。

※2 情報保障:年齢や障害の有無に関係なく、誰もが必要な情報を適切に取得できるようにする仕組みのこと

聴覚障害のある人も、聴こえる人と“ともに”楽しめるように

「コンサート手話通訳はコンサートの世界観を壊すのでは?」そんな声を聞くこともあります。

私たちCSLIは、手話がアーティストの作り上げる世界観に入り込み、融合することを目指します。障害による分断は望んでいません。聴力に関わらず、誰もが“ともに”コンサートをリアルで楽しめるよう、全ての人に寄り添った手話通訳を目指しています。

コンサート事業者に求められる「合理的配慮」とは

障害者差別解消法が改正され、令和6年から事業者による障害のある人への合理的配慮の提供が義務化されました。
生活において提供されている設備やサービスは、障害のない人は簡単に利用できても、障害のある人にとっては利用が難しく、結果として障害のある人の活動などが制限されてしまう場合があります。このような場合には社会的バリアを取り除く「合理的配慮」が事業者側に求められます。

つまりコンサートにおいても障害の有無に関わらず誰もが楽しめるようにするための配慮が必要になり、コンサート手話通訳の配置はその一つとなります。
合理的配慮の提供に当たっては、障害のある人と事業者等との間の「建設的対話」を通じて相互理解を深め、共に対応案を検討していくことが重要とされています。私たちCSLIは、聴覚障害のある人とコンサートを主催・運営する事業者の架け橋となり調整し、双方にとってのベストを模索します。
エンターテインメント分野での情報保障や合理的配慮について、事業者様に寄せられるお問い合わせに関するご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。